認定薬剤師を取得するメリットは?
皆さんは、「認定薬剤師」という言葉を聞いたことがありますか?
認定薬剤師とは、公益財団法人の日本薬剤師研修センターが、薬剤師が、その資格を維持するに相応しい知識を保つ為に、更なる自己研鑽を行うことを促進させる目的で発足させた、「研修認定薬剤師制度」に基づく認定証の一種です。
その種類は非常に多く、一例として、
・研修認定薬剤師
総合的な薬学の最新知識を保有する。
・認定実務実習指導薬剤師
薬学生の薬局・病院における実習の指導を行う。
・漢方薬・生薬認定薬剤師
漢方薬・生薬のより専門的・実用的な情報提供、服薬指導を行う。
・在宅療養支援薬剤師
病院に行くことの出来ない重症の患者さんや高齢者の自宅療養を支援する。
・スポーツファーマシスト
ドーピング等、スポーツにおける薬の不適正使用を防止する。
等、非常に多岐な専門分野にも渡っています。
研修認定薬剤師の場合、上記の研修認定薬剤師制度の下で、倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学、薬事関連法規・制度等について、所定の単位を取得することにより認定されます。新規の場合は4年以内、更新の場合は3年以内に単位を取得する必要があります。
その他の専門分野の認定薬剤師についても、それぞれの分野において5年以上の実務経験を持ち、所定の講習を受験して、日本病院薬剤師会に認定される必要があります。
認定薬剤師の取得、メリット・デメリットは?
では、このような認定薬剤師になることにより、どのようなメリットがあるのでしょうか。
一番大きなメリットは、薬剤師としてのステータスが一段上がる、という点と言えるでしょう。
薬剤師の国家資格は、有効期限というものがありません。国家試験に合格すれば、基本的に薬剤師の資格は一生自分の物です。ちょっと言い方は悪いですが、一度資格を取ったら、以後は薬学について一切勉強などしなくても、薬剤師として食べていける、とも言えるわけです。ですが、実際は違います。薬剤師は常に新たな知識を吸収することが必要です。
何故ならば、日進月歩の医療の世界において、薬学もその例外ではないからです。新たな薬や専門知識が矢継ぎ早に誕生してくるサイクルの中で、その知識を吸収していかなければ、薬剤師としてレガシー化してしまい、実務に耐えられなくなってしまう危険性もあります。
そんな中、認定薬剤師の資格は、自動車の免許更新のように、定期的に更新しなければ失効してしまうため、常に最新の薬学知識を吸収しておく必要があります。薬剤師を雇う側から見れば、認定薬剤師の資格を保有しているということは、薬剤師として必要な最新の知識を維持しているという目安になる訳です。
又、特定専門分野の認定薬剤師の場合、勤務先も病院や、研究機関等が多くなります。そのやりがいや充実感は、一般の薬剤師ではなかなか感じることができないメリットと言えるでしょう。
お給料については、認定薬剤師の種類や、勤務地域によってもかなりバラツキがあります。認定薬剤師だからといって必ずしも待遇が良くなるとはいえないところは、デメリットになってしまうかもしれません。
加えて、前述のように資格の取得までにある程度の年数を必要とするため、それまでの生活設計をどうするのか(例:ドラッグストアで働きながら、認定薬剤師資格取得を目指す)を考慮しないといけないという点もある意味デメリットと言えるでしょう。とはいえ、最近では認定薬剤師の資格取得を支援する職場もあるので、今後の資格取得を考えている方は、それを見据えた転職をした方が有利です。
認定薬剤師と一口に言っても、上記で述べたように色々な種類があります。以下では、認定薬剤師の各種類について説明しておりますので、よかったら参考にしてください。
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認定薬剤師の資格取得を見据えた転職を
薬剤師としての自己をより高め、将来的な転職の際にも有利であるという意味で、認定薬剤師の資格は有益です。上でも書きましたが、今後の資格取得を考えているなら、支援制度が充実している職場に転職することをオススメします。
以下では、おすすめの薬剤師転職支援サイトを紹介してるので、これらを活用して自分に適した職場を探してみてください。
薬剤師の転職サイト、おすすめ人気ランキング