女性薬剤師さんの育児休暇について
少子化対策が叫ばれる中、徐々に妊娠、出産、育児にまつわる法律や保障などが整備されています。
2010年に育児・介護休業法が変わったのもそのひとつです。
これまではお父さんか、お母さんのどちらかしか取得できなかった育児休業を、両親ともに取れるようになったり、育児中は短時間勤務ができるようになるなどといった内容です。
ここで、改めて育児休暇の取得条件について確認しておきましょう。まず、基本的な知識のおさらいですが、育児休暇は産休と違います。産休は誰にでも認められた権利ですが、育休(育児休暇)は取得に一定の条件がいります。
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産休は生後8週間までですが、育児休暇は生後1年まで取得が認められます。
育児休暇を取得するための条件は、大まかに言って以下の通りです。
- 1年以上、間をおかずに雇用されていた者
- 子どもが1歳に到達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者
- 育児休暇終了後、最低1年は勤務することが見込まれる者
つまり、転職して半年でいきなり育児休暇を取得することはできませんし、もしくは契約社員の方で、育児休暇終了後、半年程度で契約の更新がないことがあらかじめて確定している(少なくとも、会社はそう考えている)方は、育児休暇の取得は難しいと言えます。
このように、まだ不備はあるのですが、生まれてきた赤ちゃんの子育てのための最低限の法整備は整いつつある、とは言えるかもしれません。
ただ、法整備がなされてきたとはいえ、実際に取得できるかというとまた別の話になります。
法律で定められていることですから、基本的に労働者がこの権利を行使することに対して事業者側は「NO!」とは言えません。
しかし事業者側としては人為的、金銭的な穴ができるわけですから、個人経営や経営基盤に不安があるところでは、雰囲気として取りづらい可能性があります。
またこれまでに育児休暇を取得した人がいないなどの場合は、他のスタッフの目が気になって、辞めざるを得ない人もいるでしょう。職場に女性が多く、出産、育児後の復帰や再就職がしやすいと言われる薬剤師でも、職場によっては充分な保障を得られないこともあるのが実情と言えます。
それでも、育児休暇は労働者に認められた権利です。出産、育児後も働きたい、育児休暇を取得したいと考えるのであれば、そいった体制が整ったところに思い切って転職するのもよいでしょう。
では、実際どのようなところに転職するのが良いのでしょうか。
●公務員として働く
国公立病院や各県、市町村の薬剤師として勤務する場合、最も育児休暇を取得しやすい環境が整っていると言えます。
取得できる期間も法律で定められたものよりも長いところもあり、収入も給与の何分の一か出たり、手当が出たりすることが多いです。
具体的な期間や収入額に関しては管轄や自治体によって異なりますが、国立病院などでは3年くらい育児休暇を取得できるところもあります。
●経営基盤のしっかりしている大手で働く
会社としてしっかりとした基盤を持っているところでは、育児休暇はもちろんのこと、一般的に労働者に与えられるべきとされている制度を利用しやすい
傾向にあります。
大手になると、育児休暇を取得した実績のある人も多く、周囲のスタッフの理解も得られやすいでしょう。またチェーン展開などで全国各地に就業場所
があるので、結婚、出産などを機に引越しなどをしても働ける可能性が高いです。
●育児休暇取得実績のあるところで働く
経営規模の小さなところでも、理解があり、育児休暇の取得がしやすいところはたくさんあります。休暇中の給与などは少なかったり出なかったりするかもしれませんが、小規模経営ならではの相談のしやすさ、経営者との距離の近さなども魅力のひとつです。
ただこういった情報は実際に働いてみたいとわかりづらいので、転職エージェントなどにリサーチするなどしたほうがよいでしょう。
公務員であればある程度制度や権利に関する情報は転職前にもわかりやすいですが、民間となるとなかなか難しい部分もあります。今後の結婚、出産、育児などを考えるのであれば、転職先の情報はしっかりと手に入れましょう。
いくつかの転職サイトに登録することで、より広く、深い情報が手に入りますので、本気で転職を考えるのであれば数社への登録をおすすめします。
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