育薬において患者さんの声が必要不可欠です

薬剤師の転職サイト、おすすめ人気ランキング!

育薬とは?

開発時点では安全性が確認された新薬でも、実際に患者さんに投与すると、開発段階ではわからなかった問題点も浮上してきます。十人十色といわれる人間には、年齢、性別、体質などで合わない場合も往々にしてあることです。

又、患者さんによっては、他に服用している薬と併用する場合もあり、新薬開発段階では考えられなかった副作用が生じたりする可能性もあります。それらの情報を集めて、薬の安全性や有効性を高めるために改良したり、新薬の開発に役立てる取り組みのことを「育薬」といいます。


実際に薬を使用された患者さんの生の声や、薬に対する反応は、育薬にとって非常に貴重なものです。それをなくして、育薬は成り立つものではありません。製薬会社は、その情報を得るために、市販後調査に取り組みます。その主な情報源は、直に患者さんに接する医療従事者です。

例えば、医師が通院歴の長い患者さんに、これまでより有効性のある新薬を処方したとします。新薬ですから、その患者さんに確実に合うという保証はありません。ですが、いままでの症状が少しでも改善される可能性があれば、当然、医師は患者さんに勧めてみます。


その結果、患者さんの病状が回復することもありますし、逆に何らかの副作用があって“合わない”と訴える患者さんもいるかもしれません。このような患者さんからの報告を聞いた医師や薬剤師から、製薬会社は情報を収集して、多方面から改善していきます。

市販後調査は、新薬が発売されてから、だいたい4年~10年間のスパンで行われますが、平均すると1つの新薬に対して8年間くらいかかります。その間の調査結果は、報告制度(副作用・感染症等々)や最新科学水準を基にした再評価制度など、新薬を改めて見直すための、再審査(安全性と有効性)にかけられます。


又、医師や薬剤師から収集した情報を基に確立した「適正な使用方法」などを医療機関に通達します。その内容を医師や薬剤師は遵守して患者さんに説明します。そして、また患者さんから何らかの新たな報告があれば、製薬会社が情報収集して薬の改良や新薬開発の参考にします。この一連の流れを繰り返しながら、副作用の少ない安全性の高い薬が完成していきます。

例を挙げると、知名度の高い「アスピリン」も、現在のような副作用が少なく効果の高い薬になるまでは、何年もかけて医療現場の声を聞いて改善されてきました。長い歳月がかかってここまできたのです。


他にも、嚥下障害の患者さんのためにゼリー状の製剤を開発したり、貼付薬を貼りやすく剥がれ難いように改良したりと、医療現場の声は新薬開発の糧となっています。そのためには、正しいデータが必要不可欠です。正しいデータを収集するには、まずは患者さんに薬の使用方法や服用方法をキチンと守ってもらわねばなりません。

医師は薬の処方箋は書きますが、薬の使用や服用方法を細かく丁寧に指導するのは薬剤師の仕事です。患者さんに薬を理解してもらうことで、治療効果も違ってきます。薬剤師は育薬において、重要な役割を担っているといっても過言ではありません。




 
copyright 2012 薬剤師の求人・転職サイト、おすすめ人気ランキング!All Rights Reserved.

※当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます。